金利が上がると株価はどうなるのか?
最近、金利と株価の関係に興味を持つ人が増えています。私の過去の動画でも、このテーマに関する検索数が急増しており、以前の10倍に達しています。これは、アメリカの長期金利が上昇していることが背景にあります。米国債の10年利回りが上昇しており、これが株価にどのような影響を与えるのかという議論が盛んです。金利が上がると株価は下がるのか、それとも問題ないのか、さまざまな意見が飛び交っています。
そこで、今回は株価と金利の関係について、以前の動画のおさらいも含めつつ、超わかりやすく解説していきます。まずは、国債と金利の関係と金利と株価の関係について、それぞれ説明していきます。
目次国債と金利の関係
国債と長期金利の関係について簡単に説明します。例えば、10年物国債の価格が下がると長期金利は上がります。これは逆相関の関係にあります。現在、アメリカの長期金利が上昇していると言われているのは、10年物国債が売られているからです。国債の価格が下がることで金利が上がるというメカニズムがあります。この関係性だけ覚えておいてください。
金利が上がるとどうなるのか
金利が上がると、経済面では借り入れコストが上がるため、企業の利益が減少します。一方で金融機関は金利収入が増えるため、収益が増加します。特にベンチャー企業やスタートアップ企業は資金調達に苦労することになります。金利が上がることで、グロース型企業が資金調達に苦労し、大型優良企業が有利になるという状況が生まれます。
理論株価と金利の関係
理論株価は、企業の利益を金利から成長率を引いたもので割ることで算出されます。つまり、金利が上がると理論株価は下がるという関係があります。この数式は、将来の利益を現在価値に割り戻して計算することで成り立っています。金利が上昇すると、将来の利益の現在価値が低くなるため、理論株価が下がるのです。
企業価値の評価
企業価値は、将来の利益を先取りして算出されます。将来の利益を現在価値に割り戻して計算し、それを足し合わせたものが企業価値とされます。1年後の利益、2年後の利益といった将来の利益を期待利回りで割り戻し、それをすべて足し合わせることで現在の企業価値が求められます。
成長率と金利の関係
成長率が高い企業は、金利が上がってもその影響を受けにくい場合があります。例えば、グロース型企業は成長率が高いため、多少の金利上昇があっても企業価値に大きな影響を与えない可能性があります。一方で、成長率が低い企業は金利上昇の影響を強く受けることとなります。
理論株価の別の考え方
理論株価の考え方にはさまざまな方法があります。例えば、現時点の企業価値をEPS(1株あたりの利益)とし、将来の利益を事業価値として足し合わせる方法があります。この場合、何年分の利益を足し合わせるかが重要で、業界によって基準が異なることもあります。
金利上昇が影響しない場合
金利が上がっても企業の利益が増加している場合、金利上昇の影響は限定的です。理論株価の数式でも、成長率が高ければ金利の上昇が理論株価に与える影響は少ないです。経済成長に伴って金利が上昇している場合、企業業績も伸びているため、金利コストの増加が問題とならないこともあります。
投資家の期待と株価
株価は、投資家の期待や人気、思惑、需給によっても形成されます。ファンダメンタル分析と異なり、テクニカル分析では価格の変動のみを見て株価の動向を予測します。金利が上昇しても、投資家の期待が高ければ株価は上昇することもあります。逆に、金利が上がったことで投資家が警戒すれば株価は下がることもあります。
関連する質問と回答
金利が上がると株価は必ず下がるのですか?
金利が上がると理論上は株価が下がることが期待されますが、必ずしもそうとは限りません。投資家の期待や経済成長の状況によっては、金利上昇が株価に与える影響は異なります。
グロース型企業とバリュー型企業、金利上昇の影響はどちらが大きいですか?
一般的に、グロース型企業は金利上昇の影響を受けやすいです。これは、資金調達に依存しているためです。一方で、バリュー型企業は影響が比較的少ないです。
金利上昇と経済成長の関係はどうなっていますか?
金利上昇が経済成長と連動している場合、企業の業績も向上するため、金利上昇の影響は限定的です。しかし、経済が停滞している中での金利上昇は企業にとって負担となり、株価下落の要因となります。
理論株価の計算方法にはどんなものがありますか?
理論株価の計算方法にはさまざまありますが、一般的には将来の利益を現在価値に割り戻して足し合わせる方法が使われます。他にも、EPSや事業価値を基にする方法などがあります。
テクニカル分析とファンダメンタル分析の違いは何ですか?
テクニカル分析は価格の変動やチャートパターンを基に株価の動向を予測する方法です。一方、ファンダメンタル分析は企業の業績や経済指標を基に株価を評価します。それぞれの方法には利点と欠点があり、投資家の目的やスタイルに応じて使い分けることが重要です。